エストニア語の多義的な動詞jõudma「~できる ; 着く」についての辞書の記述が的確かどうかを, コーパスから得られたデータに照らして検討する。この動詞の実際のテクストにおける使われ方を観察すると, いくつかの共起関係が指摘できるが, このことに関する明確な記述が「エストニア語詳解辞典」(Eesti kirjakeele seletussõnaraamat) にはない。コーパスから得られたデータによってはっきりと示される, このような共起関係に関する特徴が, 動詞jõudmaの多義性的な用法の区別において非常に重要な役割を果たしているということが, エストニア語の辞典として最も包括的かつ詳細な「エストニア語詳解辞典」で, きちんと述べられることが望ましいと考える。