水環境学会誌
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調査報告
霞ヶ浦底泥における脱窒活性の分布特性及び水温と硝酸イオン濃度の影響
北村 立実渡邊 圭司須能 紀之吉尾 卓宏位田 俊臣花町 優次中村 剛也戸田 任重林 誠二黒田 久雄
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2014 年 37 巻 6 号 p. 265-271

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抄録
霞ヶ浦流入河川や湖内全域を対象に底泥の脱窒活性について調査し,脱窒活性の分布的特徴および水温や硝酸イオン(NO3-)濃度への依存性について検討した。その結果,脱窒活性は北浦流入河川や北浦湖内上流部で大きかった。脱窒活性は水温やNO3-N濃度の上昇に伴い増加した。湖内底泥の脱窒活性は25°Cの水温まで増加したが,北浦流入河川の脱窒活性は40°Cまで増加し続けた。NO3-N濃度の依存性から算出した最大脱窒速度は北浦流入河川で湖内よりも6倍以上を示した。また,重回帰分析によって,脱窒活性に影響を与える要因として底泥間隙水のDOC濃度が最も大きく寄与していることが示唆された。
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© 2014 公益社団法人 日本水環境学会
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