2006 年 1 巻 p. 59-68
北九州市は,5市(門司・小倉・八幡・戸畑・若松)が1963年に対等合併して誕生した.しかし,合併に伴う旧自治体の確執で,効果的な施設配置や重点的な都市開発が展開できなかった.1988年,末吉現市長は「北九州ルネッサンス構想」1)でそれまでの多核都市構想を見直し,都心を小倉,副都心を黒崎に位置づけた都市構想に街づくりの方針を変更した.本研究ではその小倉の中心部,つまり小倉都心部の都市景観の特色と変容を,2~3時間歩いて見て周るという設定で,JR小倉駅を出発点に記述する(図1).