都市地理学
Online ISSN : 2434-5377
Print ISSN : 1880-9499
研究ノート
工場跡地に立地した複合商業施設をめぐる利用者(車)の動き
静岡県浜松市浜北区の「プレ葉ウォーク浜北」を事例に
塩谷 香帆蓑 豪輝鈴木 健斗山元 貴継
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2020 年 15 巻 p. 129-139

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抄録

用途規制の厳しい大都市圏では1990 年代以降,立地規制の緩い工場跡地に大規模な複合商業施設が多くみられてきた.そうした施設は,多くの自動車の行き来に対応していなかった施設周囲の道路で交通渋滞などを発生させないよう,さまざまな事前対策を練って立地している.そこで本調査では,静岡県浜松市浜北区の工場跡地に立地した「プレ葉ウォーク浜北」による対策を紹介した上で,それらの対策がどのように発揮されているのかを,現地での実際の利用者(車)の動きについての計測で確認した.その結果,圧倒的に多くを占める近隣からの利用者の乗った自動車が,施設側の誘導する特定の駐車場入口から入場する一方で,遠距離からの自動車が,施設側が誘導していない入口からも相対的に多く入場していることが明らかとなった.また,施設側が誘導していない駐車場入口からの自動車の入場は,昼食時に加えて,施設で行われていた各種イベントの直前の時間帯に集中しやすかった.

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© 2020 日本都市地理学会
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