抄録
本稿は国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(2015〜2045年)を用いて将来の人口分布と消滅可能性市町村の対策について考えたものである.2045年には東京一極集中は継続するものの,「東京圏の人口増加」と「地方圏の人口減少」という単純な図式ではなく,地方の中でも名古屋圏や福岡圏の成長が期待される.そうしたなかで特に問題になるのは増田ほか(2014)のいう人口の多い都市をも含めた消滅可能性都市ではなく,人口1万人未満の消滅可能性市町村が多いことである.消滅可能性市町村についてはドイツやスウェーデンを参考にしながら対策を考えることが肝要である.