都市地理学
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Print ISSN : 1880-9499
研究ノート
三重県伊勢市における観光バスの動向
林 泰正山元 貴継
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2012 年 7 巻 p. 59-72

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抄録

本研究は,三重県伊勢市とその周辺都市における観光バスの動きを分析したもので、ある.伊勢市内の7つ の調査地点において観光パスの動きを観察し,また,観光バスツアーの関係者に対するアンケート・聞き取り調査も実施した.その結果,6月の週末の伊勢市内においては,一日あたり200台近くの観光パスが訪れていることが明らかとなった.それらの観光パスの多くは,大阪府や兵庫県など関西地方を出発地としていた.しかしながら,多くの観光バスは伊勢市内において,「(伊勢)神宮」の「内宮」と,その周辺にある観光地のみをめぐっていることが明らかとなった.その上で,それらの観光パスの大部分は,短時間で伊勢市内での観光を終え,伊勢市の隣の,鳥羽市や志摩市などに向かう傾向がみられた.この伊勢市を素通りするような観光パスの動きの背景として,観光パスツアーの関係者は,宿泊施設を求めるために鳥羽市などを重視した観光コースを設定していることを挙げた.

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© 2012 日本都市地理学会
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