富山大学医学会誌
Online ISSN : 2758-819X
Print ISSN : 1883-2067
原著
当院における摂食・嚥下リハビリテーションの現状と課題
中道 尚美井上 さやか山口 百々穂新井 直也野口 誠
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キーワード: dysphagia, rehabilitation, VE, VF, ingestion
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2013 年 23 巻 1 号 p. 31-34

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抄録
 2008年4月から2012年7月までの期間に,歯科口腔外科に嚥下機能評価および嚥下リハビリテーション目的で依頼のあったものは230症例であった。そのうち,16歳以上で嚥下機能評価や嚥下リハの必要性があった162症例を対象に,平均年齢,男女比,依頼元診療科,基礎疾患,初診時の口腔内所見,VFおよびVE実施の有無,嚥下リハ実施前後における摂食・嚥下障害の重症度の変化を調査した。
 平均年齢は70.2±13.6歳,男性111症例,女性51症例で男女比はおおよそ2:1であった。依頼元は15診療科であり,基礎疾患は,誤嚥性肺炎を含む呼吸器疾患が30%,脳血管障害が29%,神経・筋疾患が20%であった。62症例は口腔内清掃状態が不良であり,68症例は歯科治療もしくは義歯調整が必要であった。
 嚥下リハ実施前には経口摂取を行っていなかった症例は75症例であったが,嚥下リハ実施後に経口摂取を行っていない症例は22症例となった。
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© 2012 富山大学医学会
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