抄録
2008年4月から2012年7月までの期間に,歯科口腔外科に嚥下機能評価および嚥下リハビリテーション目的で依頼のあったものは230症例であった。そのうち,16歳以上で嚥下機能評価や嚥下リハの必要性があった162症例を対象に,平均年齢,男女比,依頼元診療科,基礎疾患,初診時の口腔内所見,VFおよびVE実施の有無,嚥下リハ実施前後における摂食・嚥下障害の重症度の変化を調査した。
平均年齢は70.2±13.6歳,男性111症例,女性51症例で男女比はおおよそ2:1であった。依頼元は15診療科であり,基礎疾患は,誤嚥性肺炎を含む呼吸器疾患が30%,脳血管障害が29%,神経・筋疾患が20%であった。62症例は口腔内清掃状態が不良であり,68症例は歯科治療もしくは義歯調整が必要であった。
嚥下リハ実施前には経口摂取を行っていなかった症例は75症例であったが,嚥下リハ実施後に経口摂取を行っていない症例は22症例となった。