2013 年 23 巻 1 号 p. 26-30
著者らは1996年より,インドネシア口唇口蓋裂協会(Yayasan Pembina Penderita Celah Bibir dan Langit−langit: YPPCBL)をカウンターパートとして口唇口蓋裂を対象とした医療技術教育支援を行ってきた。2006年には,YPPCBLへの技術移転の一貫として,集約的治療施設(CLEFT CENTER)を設立した。CLEFT CENTERの運用状況を把握する目的で実態調査を行った。同施設はYPPCBLの活動拠点としてインドネシア国内に広く認知されており,僻地を含めた無償手術活動の拠点としての役割を果たしていた。また,CLEFT CENTERでは口蓋裂言語治療を含めた一貫治療が遂行され,術後成績も良好であった。同施設を設立したことの意義が示されたと考える。今後,同国内の治療拠点となる都市に,そのような集約的治療の施設が必要であると考える。また,術後機能訓練も含めた体系的な治療が行えるように,今後も支援を継続する必要性を感じた。