2014 年 24 巻 1 号 p. 11-17
脊椎脊髄疾患領域は最も学際的な領域であり,その診断に携わる代表的な診療科は神経内科,放射線科,脳神経外科,整形外科の4診療科である。これらの診療科において最も基本となる共通の診断ツールはmagnetic resonance imaging(MRI)を中心とする画像診断であるが,その読影には各診療科に考え方の差があると感じられる。そこで富山大学附属病院では各診療科の立場の特徴を生かしながら,少しでも相互の理解を図るための努力をこの8年間にわたって行ってきた。神経内科―脳神経外科,神経内科―整形外科のカンファランスを行うようになったほか,関連4診療科が中心となり,富山脊椎脊髄画像診断研究会を立ち上げ,合計8回の研究会を開催してきた。
今後はより良い診断システムの構築のために,診療科の枠を越えて協同して診断治療を行う体制を構築しておく必要ある。さらに,この診療科連携を充実させるには脊椎脊髄疾患に対する概念の差と共通認識を学べる研修医教育システムの構築が望ましい。