2023 年 2 巻 p. 2-8
うつ病などの感情障害圏内の休職者が復職できるまでに回復したことを,具体的な根拠で示すことは,精神科医療にとって長年の課題であった.そのような中,2012年に日本うつ病リワーク協会が職場復帰準備性評価シートを公開[1]し,どのような項目を検証すれば良いかが提示されることとなった.そこで当院では,そのシートをさらに吟味し,不知火式復職準備性チェックリストを作成し,チェックリストのそれぞれの項目のカットオフポイントを探り,どの項目がより重みをもつのかを検証した.分析1では,「リワーク卒業後1か月以内に復職した群」と「復職できなかった・復職までに一か月以上かかった群」についてロジスティック回帰分析を行い,「通勤訓練」が有意であった.分析2では,各項目を独立変数とし,「復職継続群」と「休職・再休職群」を従属変数とする分析を行い,「振り返り」のみが有意であった.すなわち復職や復職後1年間の継続勤務を予測する項目は,それぞれ「通勤訓練」や「振り返り」であり,具体的なストレスマネジメントといった対策をたてることがポイントであるようだ.