日本うつ病リワーク協会誌
Online ISSN : 2435-1547
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巻頭言
原著論文
  • ~復職と継続の決め手となる項目について~
    大仁田 広恵, 槇本 英典, 中村 純, 徳永 雄一郎
    2023 年2 巻 p. 2-8
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/08
    ジャーナル 認証あり

    うつ病などの感情障害圏内の休職者が復職できるまでに回復したことを,具体的な根拠で示すことは,精神科医療にとって長年の課題であった.そのような中,2012年に日本うつ病リワーク協会が職場復帰準備性評価シートを公開[1]し,どのような項目を検証すれば良いかが提示されることとなった.そこで当院では,そのシートをさらに吟味し,不知火式復職準備性チェックリストを作成し,チェックリストのそれぞれの項目のカットオフポイントを探り,どの項目がより重みをもつのかを検証した.分析1では,「リワーク卒業後1か月以内に復職した群」と「復職できなかった・復職までに一か月以上かかった群」についてロジスティック回帰分析を行い,「通勤訓練」が有意であった.分析2では,各項目を独立変数とし,「復職継続群」と「休職・再休職群」を従属変数とする分析を行い,「振り返り」のみが有意であった.すなわち復職や復職後1年間の継続勤務を予測する項目は,それぞれ「通勤訓練」や「振り返り」であり,具体的なストレスマネジメントといった対策をたてることがポイントであるようだ.

  • 要 斉, 大戸 浩之, 前田 エミ, 森田 めぐみ, 小山 雅子, 原田 智恵子, 家永 千夏, 樋口 明子, 齋藤 嘉隆, 牧野 加寿美
    2023 年2 巻 p. 9-18
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/08
    ジャーナル 認証あり

    気分障害による休職者への医療リワークプログラムが全国で行われている.すでにリワーク復職後就労継続性の効果研究報告はあるが,首都圏報告が中心である.今回,北九州市の当院リワーク利用者405名の復職後就労継続性の10年間(2011年8月~2021年7月)効果を検討した.結果は,Kaplan-Meier法にて推定平均就労継続期間1518日,1年後推定就労継続値80.8%,2年後72.1%であった.また,高卒以下工場労働者が主な利用者で,他院主治医による就労継続への影響は示されなかった.20代がそれ以上の世代と比べて就労継続に不利であった.発達障害要素,双極性障害要素があると就労継続に不利であった.

  • ―利用者の主観的体験に着目した計量テキスト分析―
    藤田 祥子, 田上 雅之
    2023 年2 巻 p. 19-26
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/08
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,リワークにおける集団療法としての治療因子の検討を目的とし,利用者の主観的体験に着目した.Yalom I Dの提唱する11の治療因子を素材として,卒業者を含むリワーク利用者10名に対し半構造化形式でインタビューを求め,KHcorder3により計量テキスト分析を行った.その結果,「孤独感の緩和」,「所属感と一体感」,「情報や意見交換による相互の助け合い」,「他者を取り入れようとする姿勢」の4種類の因子が見出され,それぞれが治療的効果へ繋がることが示唆された.だが,本研究での調査が限定的な状況下であったことを踏まえると,今後は,利用者や時期を変えて調査データを蓄積し,リワークにおける治療因子の一般化を目指す必要がある.

実践報告
  • 神崎 順次, 馬渕 真衣, 飯田 高教
    2023 年2 巻 p. 27-31
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/08
    ジャーナル 認証あり

    精神障害にも対応した地域包括ケアシステムでは「はたらくこと」が重要な機能とされ,マネジメントが求められている.その要素として,当事者同士の経験の共有による効果も重視されている.自施設リワークでは発達障害支援プログラムを実施しており,ピアサポートの側面を有する.今回この発達障害支援プログラムにおいて,「はたらくこと」のエンパワメントに繋がると思われる効果について実施記録や当事者の思いから検証したので,ここに報告する.

  • ―2ステップの集団療法で個々のリカバリーを目指す―
    根本 雅子, 端 こず恵, 會田 友里佳, 鈴木 惠子, 松田 由美江, 林 果林, 小山 文彦, 桂川 修一
    2023 年2 巻 p. 32-37
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/08
    ジャーナル 認証あり

    発達障害者への援助は社会的な課題の一つであり,医療,福祉,教育,就労の各分野での支援充実と相互連携が求められている.当院では2007年よりリワークプログラムを実践してきたが,約10年前から発達障害者が増加傾向にあり,その障害に特化したプログラムが必要となってきた.一方,外来においても精神疾患やひきこもりの背景に発達障害の存在を疑う事例は増加傾向にあり,その多くが社会生活上の困難を抱えている.そこで我々は2019年より発達障害者向けのプログラムとして外来にIMR(Illness Management and Recovery)技法を用いた集団精神療法,リワーク内に社会技能訓練を取り入れ,医療機関に通院中の発達障害者を段階的に就労や復職へと導く支援に取り組んでいる.

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