一般家庭内での顔料インク自作は、絵画制作やオリジナルプリントTシャツ制作において、使用者の好みに応じた色味調整を可能にする等の需要がある。 インク製造ではインク中の顔料粒径が色味・透明度・光沢・粘度・塗膜耐久性等の物性に影響を与えるため、製造条件の調整による適切な粒径の制御が必要となる。 しかし、一般家庭で使用可能な設備や条件で所定の粒径を得るための報告例は少なく、製造のハードルが高いことが課題となる。本研究では家庭での自作インク製造におけるインク実用性向上を目指し、手軽に入手できる青色有機顔料である銅フタロシアニンを使用し小型の製造装置を用いた場合の製造条件と粒径との対応を調査した。さらに、製造したインクの粘度、塗工方法に対する適正を評価した。