貝類学雑誌
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亜熱帯の潮間帯性巻貝オオシマカニモリ Clypeomorus subbrevicula (Oostingh) のサイズ組成と分布様式
栗原 健夫
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2000 年 59 巻 3 号 p. 209-216

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抄録

オニノツノガイ科の巻貝オオシマカニモリについて, サイズ組成と分布様式を, 日本亜熱帯域の石垣島の転石海岸において調査した.本種を1997年5月から1998年9月まで約3ヶ月間隔でコドラートにより採集し, 殻高を測定した.サイズ組成の時間変化をもとにコホート解析した結果, 本種はコホート間で異なる加入期(9∿12月もしくは7∿9月)と最大寿命(14ヶ月を超えるものと13ヶ月未満のもの)を示した.各コホートは転石被度の高い場所で高密度分布し, 各月において古いコホートは新しいコホートより低い潮位に分布していた.このような生活環や分布様式の特徴を, 調査地特有の環境要因と関連付けて論じた.

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© 2000 日本貝類学会
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