イブキゴマガイ(箱根町), オキゴマガイ(西の島町), ヤマトゴマガイ(箱根町), 未同定種のゴマガイ(篠山町)の染色体と核DNA量を調べた。4種・亜種とも染色体数は2n=26で, 核型は多くの中部付着型染色体とわずかの次中部付着型染色体からなり顕著な差は認められなかった。核DNA量(pg/diploid)はイブキゴマガイ13.41, オキゴマガイ15.43, ヤマトゴマガイ10.45, 未同定種7.85であった。模式産地箱根町のイブキゴマガイの核DNA量は天龍村のそれとは大きな差はなかったが, 養老町のイブキゴマガイとは明らかな差があった。養老町のイブキゴマガイはオキゴマガイやキイゴマガイに近いDNA値を示し, おそらく新亜種ではないかと思われる。