抄録
近年、中国では著しい経済成長に伴って人々と飼育動物の関係が大きく変化をとげ、飼育頭数も年々増加している。中国における家庭飼育動物の関連業種は大きな市場になりつつあるが、未だ動物看護師という職業は存在しない。今回、中国における動物の飼育方法や獣医療のあり方を明らかにするため、中国河南省新郷市の44頭の犬の飼い主と1軒の動物病院にインタビューを行った。飼い主調査の結果、飼い犬のワクチン接種は狂犬病1回のみ、適切な栄養指導を受けたことが無く、正しい飼育の知識を持っていない人がほとんどであることが判明した。また、調査を行った動物病院において獣医師は専門学校の卒業生であり、動物看護師という職種そのものが知られていなかった。発展の途中にある中国の獣医療において、動物の飼育や健康管理に必要な知識を飼い主に指導および支援を行い、動物と人間の関係をより良くしていく存在として、動物看護師が参入する可能性があると考えられた。