抄録
本研究は、動物看護学を学ぶ学生のための、英単語リスト、英会話表現リストの作成を目的とする。現在獣医師のための英語コーパスは存在するが、動物看護師を対象としたコーパスは見られない。そこで本研究では、想定に基づく内容ではなく、コーパスを構築し、実際に使用頻度の高い内容を抽出後、日本語から英語へのパラレルコーパスを構築し、英単語、会話リストを作成した。日本語コーパス材料サンプルとして、『MF動物病院日誌』(少年画報社)での会話の書き出しを使用し、コーパス化した内容から、KHcoderにより頻出語を抽出した。それらのワードリスト、および現役、元動物看護師を対象に実施したアンケート結果を基盤とし、実際にコーパスで抽出された表現を使用した英会話表現を作成した。構築コーパスでのtype(異なり語数)は1545語、token(総語数)は6653語である。本論文では、単語、英会話表現リスト紹介のほか、実際の使用現場データに関連する小規模コーパスを構築し、利用することによる英語授業での可能性を提案する。