Veterinary Nursing
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人用介助グローブを用いた体位変換の検討
宮田 拓馬 小林 光坂上 樹璃花関 瀬利石岡 克己
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2022 年 27 巻 2 号 p. A1-A7

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抄録

動物の褥瘡の発生を防ぐ方法として体位変換が推奨されている。動物病院に勤務する動物看護師の多くは女性であり、特に大型犬に対して体位変換を行う際には腕力の面や腰痛を発症してしまうリスクなど困難なことがある。人の看護の現場では介助グローブ等の補助具を用いることで看護師への負担を軽減している。そこで介助グローブが動物の体位変換にも有用かどうか検討した。実験には5年以上勤務経験のある動物看護師と、体位変換に関して講義実習を受けた動物看護学生に参加してもらい、鎮静を施した犬に対して介助グローブの有無による体位変換を行ってもらい、その所要時間と評価を行った。その結果、介助グローブがあることで、滑り込ませやすくはなるが、体位変換時には介助グローブがない方が行いやすい結果となった。今後、介助グローブを活用していくためには改良が必要だが、動物とマットの接触面の圧力を抜く目的であれば活用できることが示唆された。

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© 2022 日本動物看護学会
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