2018 年 2 巻 1 号 p. 109-115
日本において、キャリア教育が提唱されて以来、非認知能力といわれる基礎的・汎用的能力の獲得に向けたキャリア教育が初等、中等、高等学校において展開されている。
義務教育以降の高等学校の学生の中には、非認知能力が発展途上のために学校生活上での課題や、学習での学びも進まず中途退学に至ることがある。学校では、彼らに対して社会的マナー、ルールの理解や修得、人間関係に関するスキル獲得など学校生活を継続させ中途退学防止を目的としたキャリア教育が展開されている。
しかし、それらは出口のための支援になっている傾向が強く、卒後の未来を見通したキャリア教育の視点は少ない。非認知能力が発展途上により中途退学リスクが高い学生に対しては、非認知能力のひとつであるレジリエンス発達を目的としたキャリア教育が有効であると考える。