敬心・研究ジャーナル
Online ISSN : 2434-1223
Print ISSN : 2432-6240
「介護業務内容の分析及びその階層化に関する予備的研究1」
―介護助手に焦点をあてて―
吉田 志保半田 仁小林 桂子齊藤 美由紀川廷 宗之
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2019 年 3 巻 1 号 p. 99-105

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抄録

 本研究では、介護人材が不足している現在に日本において、人材の有効活用のために必要な「介護の業務分析」「介護の機能分化(機能分析)」、「介護の職務分析」についての先行研究レビューをおこない、介護における業務内容の分析とその階層化について概観した。

 また、介護の周辺業務を担う「介護助手」について、「ハローワークインターネットサービス」を用い、現状と課題について考察した。

 結果として、先行研究レビュー「介護の業務分析」「介護の機能分化(機能分析)」「介護の職務分析」をキーワードとした研究論文が乏しく、今後の介護職員の有効活用を視野とし議論するうえで、大きな課題があった。今後は介護職員の業務内容を、実態に沿って明確化していくことが必要であると考える。

 そして介護の職務内容を精査し「介護助手」を活用する事で、先行研究では、「介護助手」として働いた高齢者が「充実感や働く楽しみ、自信がついた」との結果や、介護現場の変化として、「周辺作業負担が軽減されたことにより、個別対応が可能となり、ケアの質が向上してきた」など、一定の効果が得られた。

 しかし、「ハローワークインターネットサービス」における「介護助手」の求人を精査すると、「介護助手」の区分での求人ではあっても、身体介護を伴い、今だ「介護助手」の定義が定まっておらず、介護職員との業務内容のすみわけが想定されていない現状が分かった。

 今後は実際に働いている「介護助手」や施設に聞き取り調査をし、より現実に基づいた調査研究が必要である。

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© 2019 学校法人 敬心学園 職業教育研究開発センター
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