2020 年 4 巻 1 号 p. 103-108
介護福祉教育において、本人の望む介護を提供するため、「本人の思い」の理解というように主観的世界のアセスメントも重要としている。しかし、アセスメントにおける依って立つ理論、具体的な方法の整理は必ずしもできているとは限らない。
本研究は、介護福祉士養成科目である「介護過程」におけるアセスメントの課題整理、主観的世界に関する諸理論の検討を通して、介護過程におけるアセスメントに関した教育の示唆を得ることを目的に行った。結果、「本人の思い」のアセスメントのエビデンスとして、ナラティブ理論、相互交流・状況との対話によるアセスメント理論、具体的な方法として、生活歴、言動に注目したセンター方式シート、生活歴を構造的に見ていく手法が存在していることが示唆された。これらの諸理論、手法を体系的に整理することで、本人の主観的世界のアセスメントが可能となり、利用者に寄り添った介護過程の展開ができると考える。