新型コロナウイルス感染が全世界的な解決すべき課題となっている。新型コロナウイルス感染者からの自殺者まで出ている。現代にあっては、新型コロナウイルスはある種の「差別」の対象ともなっていると言えるのではないか。しかし、「差別」の対象は人種問題、ジェンダー、障がい者問題等、さまざまある。本稿では差別や、人の「自己中心性」を取り上げたうえで、差別、偏見、自己中心性から脱却するためのひとつの概念として、「愛」という概念を取り上げた。「愛」を実践した人物として、吉田松陰と三浦綾子の場合を検討した。そして、ヒューマンサービス業である教育職や福祉職が自分自身さえも「特別視」せず、「与えること」を実践することで、学生や利用者らも「与え手」になり得ること、そうして両者が与え合う応答関係になり得ることの試論を試みた。