敬心・研究ジャーナル
Online ISSN : 2434-1223
Print ISSN : 2432-6240
生活支援記録法(F-SOAIP)の6項目を用いた医療ソーシャルワーカー経過記録の課題分析
髙石 麗理湖
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2022 年 6 巻 1 号 p. 13-25

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抄録

MSW記録にはソーシャルワーク記録と共有記録の二重記録化が生じており、ソーシャルワーク記録一般に比べより複雑な課題を抱えているが、MSW記録を経過記録法毎に分析し課題を見出した調査は見当たらない。そこで、本研究の目的をMSW記録分析に基づく各経過記録方法及びMSW記録の課題の明確化とした。研究方法には、ソーシャルワーク実践過程を網羅した要素から構成されている生活支援記録法(F-SOAIP)の6項目の視点を採用した。

その結果、MSW記録には叙述形式、SOAP、F-SOAIPの3種が使用されているが、いずれの経過記録法においてもアセスメントや支援計画が明記されていない傾向があり、特に叙述形式で顕著であることが明らかになった。SOAPは介入内容の記載先が書き手によって様々であった。F-SOAIPはアセスメントと介入、支援計画が明記されていれば実践過程の可視化につながり、記録の見読性の観点から記録の読み手と書き手双方にとって有益な経過記録法である可能性が示された。

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© 2022 学校法人 敬心学園 職業教育研究開発センター
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