2024 年 8 巻 1 号 p. 59-66
河邉貴子は、保育マップ型記録の提唱者として知られるが、子どもたちの遊びが持続する以前の状況で使用可能な記録様式として「経過記録」を提案している。河邉が提案した複数の経過記録のうち、本稿では、遊びを構成するメンバーの変化に着目することで、遊びの経時的変化を捉えようとする様式(経過記録①)、遊びの合流・分流に着目する様式(経過記録②)の二つに着目する。経過記録①には、遊びの凝集性が弱い段階で、メンバーの入れ替わりによる遊びの変化が記録される。経過記録②には、個々の遊びが合流・分流する画期をなした、鍵となる子どもの動きと、それによる遊びの展開が記される。これらとは異なり、保育マップ型記録は、経過記録が捉える遊びの経時的変化が生じた理由を、遊び相互の影響から捉えようとするものである。