ビタミン
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Neuroblastoma N 18のリン脂質合成に及ぼすビタミンB_1,B_6及びB_<12>の影響
成実 重彦稲田 育子牧 良孝鈴置 二郎
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1979 年 53 巻 11 号 p. 429-438

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抄録

1)B_1,B_6無添加のDulbecco's MEM培地に3日間培養したneuroblastoma N 18を, 同じくB_1,B_6無添加のEagle's MEM培地に培養すると, ^3H-[CH_3]-cholineの細胞TCA不溶画分への取込みが, それぞれの標準培地を用いて継代した群に比べ低下した.このとき, TCA不溶画分に取り込まれた^3Hの大部分はphosphatidyl cholineであった.2)B_1,B_6無添加のEagle's MEM培地に見られた上記取込みの低下は, これにthiamine+PL+CN-B_<12>を添加するとほぼ回復し, 又, ビタノイリン^[○!R]の構成成分であるTTFD+PLP+OH-B_<12>はより著明な回復効果を示し, 標準培地にて培養したときよりも多く取り込まれた(165%).3)TTFD+PLP+OH-B_<12>によるこの取込みの促進作用は, 大部分TTFDによるが, 3者併用による促進効果は3者が単独に示す効果の和に等しかった.4)Neuroblastoma N 18細胞で見られた上記2)の標準を上回る回復は, 他の培養細胞系glioma C6及びfibroblast 3T3では見られなかった.5)Cholineの取込みに対し, ^3H-[2]-myoinositolのneuroblastoma N 18細胞のTCA不溶画分(phosphatidyl inositol)への取込みは, これらビタミンの添加, 無添加によって著明な影響を受けなかった.

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© 1979 日本ビタミン学会

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