ビタミン
Online ISSN : 2424-080X
Print ISSN : 0006-386X
フラボノイドのビタミンC節約効果に関する検討
鈴木 恵美子倉田 忠男荒川 信彦稲垣 長典
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 55 巻 12 号 p. 589-593

詳細
抄録
ヘスペリジンとその誘導体について,構造上の差がC節約効果に及ぼす影響を中心に比較検討を行い,併せて,C節約効果に及ぼすヘスペリジンそのものの影響についても検討を行った. モルモットをAsA単独投与群,AsA無投与群,AsA-ヘスペリジン投与群,AsA-ヘスペリジンカルコン投与群及びAsA-ヘスペリジンメチルカルコン投与群に分け,ヘスペリジン及びその誘導体投与のC節約効果に対する影響について検討した. ヘスペリジン投与群と比較してその誘導体投与群には体重増加及び臓器中のC含量に有意差は認められなかった.この結果,ヘスペリジンの閉環あるいは開環構造の差はC節約効果に顕著な影響を及ぼさないものと推測される. また,ヘスペリジンのC節約効果に及ぼす影響をAsA単独投与群,AsA無投与群,AsA-ヘスペリジン1mg投与群,AsA-ヘスペリジン10mg投与群及びヘスペリジン単独投与群について検討したが,体重増加及び臓器中のC含量に有意差はなく,投与量の違いによる効果の差は見られなかった. AsA投与時及びAsA無投与時いずれの場合においてもC節約効果に対するヘスペリジン投与の影響は認められなかった.
著者関連情報
© 1981 日本ビタミン学会
次の記事
feedback
Top