1986 年 60 巻 1 号 p. 9-14
水酸化カルシウムTLCによるプロビタミンA分析法をα-カロテン,β-カロテン,β-クリプトキサンチンを中心に検討した.1.水酸化カルシウムを吸着剤に選び,活性化温度120℃で2時間,展開溶媒n-ヘキサンの条件で,α-カロテン,β-カロテン,γ-カロテン,ζ-カロテンを明確に相互分離できた.また段階法によりn-プロパノール・n-ヘキサン(5:95)で展開すると,β-クリプトキサンチンと他のキサントフィルを分別することができた.2.TLC上のスポットのかき取り・抽出による吸光度測定法ではα-カロテン,β-カロテン,β-クリプトキサンチンは定量性のあることが確認された.3.TLC-デンシトメトリー法も実用上,α-カロテン,β-カロテンの定量は可能であった.