微生物によりビオチンは,ピメリン酸→ピメリル-CoA→7一ヶトー8一アミノペラルゴン酸→7,8-ジアミノペラルゴン酸→デチオビオチン→ビオチンという経路で生合成される.ピメリン酸からデチオビオチンまでの生合成系のすべての酵素を精製し諸性質が明らかとなった.さらにこれらの酵素の合成がビオチンによって抑制を受けることが明らかとなった.ビオチン資化性の土壌分離細菌はビオチン及びデチオビオチンをβ酸化によって生分解した.この生分解系の初発酵素ビオチニル-CoA合成酵素を初めて単一に精製した.本酵素を抗生物質α一デヒドロビオチンの合成とビオチンの定量に応用した.ビオチンアナログ耐性変異株を誘導することによりビオチン及びデチオビオチン生産菌を得た.遺伝子工学的技術を利用した最近のビオチン生産の研究についても言及した.