ビタミン
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ラットのビタミンB_<12>欠乏状態の発現に及ぼす飼料タンパク質の影響
河田 哲典土居 忠飯島 健志前川 昭男
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1989 年 63 巻 9 号 p. 401-408

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抄録

B_<12>欠乏状態の発現に及ぼす飼料タンパク質の影響を検討する目的で8%カゼイン,18%カゼイン,40%カゼイン並びにSP飼料でB_<12>無給与ラットを飼育した.B_<12>無給与ラットの成長遅延は40%カゼイン飼料で最も顕著であり,8%カゼイン飼料,SP飼料は18%カゼイン飼料と同程度の遅延を示した.末梢血血液学的変化は40%カゼイン飼料で,18%カゼイン飼料に比べ約30日早期に観察され,臓器重量/100g体重比も40%カゼイン飼料が最も顕著であった.また尿中MMA量は40%カゼイン飼料が飼育全期間を通して最も高く,次いで18%カゼイン飼料,8%カゼイン飼料の順であり,SP飼料は18%カゼイン飼料と同レベルを示した.更に臓器B_<12>量はいずれの飼料も同程度の低下を示したが,40%カゼイン飼料は90日間の飼育であり,8%,18%カゼイン飼料及びSP飼料140日間の飼育後のレベルにまで早期に低下することが認められた.

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© 1989 日本ビタミン学会

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