ビタミン
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抗酸化ビタミン(C・E)と認知症・アルツハイマー病(特集 「わが国におけるビタミン摂取の現状と課題」(第71 回大会シンポジウムⅡ))
篠原 もえ子山田 正仁
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2020 年 94 巻 5-6 号 p. 314-318

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抄録
抗酸化ビタミン(C・E)はアルツハイマー病発症リスクを抑制する可能性がある。中島町研究に参加した65歳以上の地域住民について2007〜2008年度に認知機能検査、ビタミンC血中濃度及びアポリポタンパクE (アポE)E4の有無を測定した(ベースライン調査)。2014〜2016年度に追跡調査を行い、ベースライン調査時に正常認知機能と判定された住民のうち追跡調査参加者(n = 349)について、ビタミンC・E血中濃度と将来の認知症または軽度認知障害発症との関連、及びアポE E4との交互作用について検討した。アポE E4保有女性ではベースラインのビタミンC血中濃度が最も高い群の最も低い群に対する認知機能低下(認知症または軽度認知障害の発症)のオッズ比(95%信頼区間)は0.10 (0.01-0.93)であった。アポE E4非保有男性ではベースラインのビタミンE血中濃度が最も高い群の最も低い群に対する認知機能低下(認知症または軽度認知障害の発症)のオッズ比(95%信頼区間)は0.19 (0.05-0.74)であった。ビタミンC・E血中濃度はそれぞれ、アポE E4保有女性・E4非保有男性において将来の認知症及び軽度認知障害の発症リスクの減少と関連した。
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© 2020 日本ビタミン学会

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