雑草研究
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水稲稚苗移植栽培における各種除草剤の殺草性について
古谷 勝司千坂 英雄片岡 孝義荒井 正雄
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1969 年 1969 巻 9 号 p. 51-56

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抄録

水稲稚苗移植栽培の初期雑草対象除草剤を選定するために, ポット試験および圃場試験に各種除草剤を供試して殺草性について検討した。
CNP粒剤およびNIP粒剤は, 田植前後の表面処理でマツバイに対する除草効果がやや劣るが, 一年生雑草には効果が大きい。稚苗に対する薬害はCNPおよびNIPとも比較的小さいが, 薬害発生の危険性は, NIPがCNPより大きい。CNPは適使用量幅が広く, 田植前土壌混層処理剤としても比較的安定している。
TOPE粒剤は, 田植後処理でマツバイに効果がやや劣るが, 一年生雑草には除草効果が大きく, CNPやNIPよりも処理適期幅が広い。薬害発生の危険性はCNPよりさらに小さい。
シメトリン粒剤は, 田植後処理で一年生雑草に除草効果が大きく, 残効期間も長いが, マツバイにはやや劣る。薬害は使用量が多いと発現するが, 水深・漏水条件によっても変動するおそれがある。
TDW-43・シメトリンA粒剤は, 田植前・後の表面処理でマツバイ以外には除草効果が大きいが, シメトリンの薬害が発生する条件下では薬害発生の危険性がある。
その他の供試除草剤については, 稚苗に対する薬害の面からさらに検討を要する。

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