雑草研究
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新除草剤HOK-7501に関する研究
第2報 HOK-7501の水稲に対する影響と作用性について
大井 卓雄瀬戸 祐田村 穣太郎青木 繁井出 陽郎大山 広志高橋 三郎
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1969 年 1969 巻 9 号 p. 46-51

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抄録

HOK-7501の水稲に対する影響と水田雑草の殺草性について検討した。水稲に対する作用性として, HOK-7501は,
1) 水稲の根部から薬剤を接触吸収させた場合, 根および地上部茎葉に対する抑制はMCP-エチルエステルより軽度であった。
2) さらに実際的な試験として, 減水深, 水温の変動等の条件をあたえた薬害試験でもHOK-7501はより薬害が小さかった。このようにHOK-7501の薬害がMCP-エチルエステルより軽度の理由としては, 稲体に吸収され解毒不活性化される速度が速いためか, 溶解度が小さいために稲に徐々に吸収されるためか, また加えるに揮散性がより小さく水中での行動が激しくないためか, 恐らくこれらのことが, 薬害の原因である過剰吸収への過程をゆるやかにしているのであろうと考えられる。
3) HOK-7501のマツバイ, コナギに対する殺草効果は, 根茎吸収毒試験でも, また減水深条件のポット試験でも優れた結果を示し, MCP-エチルエステルと同程度か, またはそれ以上の殺草力を示した。このことは, 恐らく田水中での残効性がやや長いことによるのであろう。

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