1970 年 1970 巻 10 号 p. 28-32
稚苗移植栽培において有望と考えられる除草剤について, 温度 (16, 23, 30℃) と稚苗に対する薬害およびタイヌビエに対する殺草力との関係を検討した。
水稲の薬害に及ぼす温度の影響が小さかった除草剤はTOPE, トリフルラリン, CNP, NIPおよびG-315であった。高温において薬害がやや大きかったものはベンチオカーブおよびベンチオカーブ・CNP, かなり大きかったものはベンチオカーブ・シメトリンおよびシメトリンであった。
1.5葉前後のタイヌビエに対する殺草力の温度変動の小さかった除草剤はシメトリン, ベンチオカーブ・シメトリンおよびベンチオカーブ・CNPであった。殺草力が低温でやや劣るものはベンチオカーブ, TOPE, トリフルラリン, CNPおよび NIPであった。
水稲とタイヌビエ間の選択殺草性が高温で小さかったものはシメトリン, ベンチオカーブ・シメトリンおよびベンチオカーブ・CNP, 低温で小さかったものはTOPEおよびトリフルラリンで, ベンチオカーブは中温でやや大きい傾向にあった。CNP, NIPおよびG-315では選択殺草性の温度変動が小さかった。