ベンチオカーブのヒル反応阻害力は, クロルIPCと同程度で弱く, whole plant の光合成にもほとんど影響を示さなかった。また, 切断根の呼吸にたいしても影響しなかった。
一方, 胚芽除去種子におけるジベレリン誘起α-アミラーゼ生合成にたいして強力な阻害力を示すが, α-アミラーゼそのものの活性には無影響であった。また, ベンチオカーブ自身イネのラミナ・ジョイント伸長にたいしてある程度の阻害を示し, その阻害形式はIAAとの間で拮抗的であった。これらの結果から, ベンチオカーブは, タンパク質生合成過程でオーキシンと拮抗することによって阻害作用を示すことがその作用点のひとつと推定される。