雑草研究
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水田雑草の発生生態
第3報 水稲稚苗移植田における雑草の発生消長と雑草害
鈴木 光喜須藤 孝久
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1975 年 20 巻 3 号 p. 114-117

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抄録
水田雑草11科17種が発生したほ場において, 雑草の発生消長の特徴及び除草時期と雑草害との関係を水稲稚苗移植栽培条件下で明らかにした。
1) 移植時期が遅いほどタイヌビエ, イボクサ, マツバイ, ハリイなどの発生は減少したが, タマガヤツリ, ミゾハコベではこの減少の割合が小さかった。
2) 代かき12日後までに発生雑草の25~54%が発生し, 代かき43日後までに90%が発生した。発生終了までの日数は移植期によって異なり, 早期, 普通期, 晩期の各移植でそれぞれ70, 60, 50日であった。そして, 遅くまで発生した草種にミゾハコベ, コナギ, ヒロハイヌノヒゲなどがあった。
3) 早期, 普通期移植では移植後40日間, 晩期移植では移植後20日間それぞれ完全に除草すれば, 雑草害はほとんど受けなかった。
4) 雑草を放任すると, 雑草重は移植40日目から60日ごろまでの間で急増し, 水稲の茎数増加を強く抑制して, これが減収の主要因となった。
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© 日本雑草学会
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