雑草研究
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熟畑化過程における雑草植生の変遷に関する研究
第4報 異なる種類の土壌地帯における雑草群落の平均反応数と土壌酸度について
菅原 清康
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1976 年 21 巻 3 号 p. 107-111

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抄録

1) 土壌酸度の強弱によって0~5の序数をつけた雑草草種の一覧表を尺度とし, 新・旧の火山灰黒ボク土壌, 洪積埴土, 沖積壌土ならびに砂土からなる畑地に適応する雑草群落による熟畑の指標作出の可否を探索した。
2) 個々の火山灰黒ボク土壌地帯に適応する指標作出は可能であると考えられるが, 一種の土壌として全体的に適応できる指標作出は無理で, 土壌生成の新旧に2大別して扱った方が妥当のように思考される。
3) 洪積埴土から成る畑地でも雑草群落による熟畑化の指標作出の可能性があるようにみられる。
4) 沖積壌土および砂土では指標作出の可否が判然とせず, さらに多くの地区の調査を必要とするように考えられる。
5) 熟畑化の指標作出は, 雑草植生の変遷に関与する個々の要因と雑草群落平均反応数との関係を究明したものすべてを総合したものがもっとも合理的であるが, 一因である土壌酸度についてだけのものでも, 作出されれば実際の営農上有利な点がきわめて多い。

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