雑草研究
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水稲の作期および品種の差異とウリカワ, ミズガヤツリの増殖ならびに雑草害
伊藤 一幸張 暎煕草薙 得一
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1979 年 24 巻 3 号 p. 170-175

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抄録
熟期の異なる水稲3品種を2作期に植え付け, 作期および品種の差異がウリカワとミズガヤツリの地上部生育および塊茎形成に及ぼす影響ならびに雑草害について検討し, 次の結果を得た。
1) 水稲立毛期間の株数は, ウリカワでは各品種区とも普通期植えが早植えよりもやや多く, ミズガヤツリは逆に早植えで多かった。また, 品種区間差は早植えのウリカワで認められたが, その他の区では明瞭でなかった。
2) 水稲刈取後の再生は, 両草種とも早植え・極早生区で多かった。塊茎形成量は発生株数あるいは再生株数におおむね対応した関係を示し, 特に早植え・極早生区で多かった。
3) 水稲の生育および収量に対する両草種の影響は, ウリカワでは両作期とも軽微であったが, ミズガヤツリでは, 早植えでは茎数が抑えられ, 生育中期からは水稲のLAI, 地上部乾物重が減少し, 穂数減を招いて減収し, 普通期植えでは穂数減は比較的少なかったものの, 生育後期に影響が現れ, 登熟不良となった。減収程度は早植え (45~69%)>普通期植え (40~45%) で, 特に早植え・極早生区で大きかった。
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© 日本雑草学会
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