抄録
前報において, 北海道における牧草地の雑草群落の区分を行ったが, 本報ではその動態について考察した。
牧草地の雑草群落の動態は, 土壌条件と管理条件を両軸にしてまとめられる。I型 (シロザ-イヌタデ型群落) は富栄養立地に成立するが, 多肥や家畜の糞尿による不食によってホソアオゲイトウ群に変わり, 過放牧によってスズメノカタビラ群に変わる。II型 (典型群落) は中栄養立地に成立するが, 排水不良地ではオオチドメ群となる。III型 (ヘラオオバコ型群落) は貧栄養立地に成立するが, 砂質土壌ではブタナ群に遷移しやすい。I・II・III型の群落は, 土壌条件と管理方法によって互いに移行し得るものと考えられる。
さらに, 各種雑草群落について, P-A指数・生活型の面から考察を行い, その関係を明らかにした。