雑草研究
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耕起方法の違いが畑雑草の土中種子の分布と発生に及ぼす影響
高林 実中山 兼徳
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1980 年 25 巻 4 号 p. 269-272

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抄録

耕起方法の違い, すなわち, 秋プラウ耕, 秋・春プラウ耕, 春プラウ耕, 秋・春ロータリ耕が畑雑草の土中種子の分布と発生に及ぼす影響を, 昭和49年秋から4年間にわたり調査した。
(1) 昭和50年~52年における夏作期間の雑草発生本数は秋・春ロータリ耕区が最も多く, 秋プラウ耕区が最も少なかった。
(2) 秋プラウ耕区, 秋・春ロータリ耕区の土中生存種子数の推移を, 昭和49年秋採土の土中生存種子数を100としてみると, 昭和53年春にはメヒシバ2, 6% (I, IV区), タデ類がそれぞれ13%, スベリヒユ30, 24%, カヤツリグサ52, 75%であった。
(3) 土中雑草種子数の推移を, 圃場発生, 土中生存, 土中死減に分けてみた場合, 秋プラウ耕区は秋・春ロータリ耕区に比べ, 昭和53年春採土の土中生存種子数が若干多いものの, 昭和50-52年の夏作期間中の発生が少なく, 土中死滅数が多かった。
(4) 以上の結果並びに耕起特性調査結果から, 秋プラウ耕の有利性が明らかとなったが, 秋プラウ耕から次のプラウ耕までの年数は, 畑雑草種子の土中における生存年限を考慮に入れ, 関東地方では最低3年と考えられた。

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