雑草研究
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多年生水田雑草コウキヤガラの防除法確立に関する基礎的研究
第3報 分株の形成・生育について
千葉 和夫川島 長治平野 哲也
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1984 年 29 巻 2 号 p. 131-137

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抄録

コウキヤガラの分株の形成と生育に関する実験と調査を行った。
1. コウキヤガラの生育は水田条件により著しく差異はあるが, 通常6~7次分株まで生育が進み, 親株から末端分株までの距離は1mを越す。
2. 分株は親株あるいは分株基部に形成された腋芽の生育したものであるが, 最下位の腋芽は株の第5~6節位に形成されることが多い。そして腋芽 (根茎) の伸長は本葉が3~5枚抽出する頃から盛んになる。
3. 根茎はしばらく土壌中を横走した後立ちあがり分株となる。根茎が切断されても分株の生存が可能となる時期は, 直立した部分に3枚目の葉が抽出する頃と考えられる。
4. 分株間の根茎の長さの相違は節間数の差ではなく, 各節間の長さの差によるものである。
5. 1本の株から伸長する根茎数は1~3本である場合が多い。そして発生時期が遅い高次分株ほどその本数が少くなる傾向がある。
6. コウキヤガラの根茎は頂芽優勢によって一時的に土壌中を横走しているにすぎないと推察された。

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