雑草研究
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高等植物のアレロパシーに関する研究
第2報 根からの滲出物が同種あるいは異種植物の生育に及ぼす影響
続 栄治安藤 尚登西山 浩幸
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1984 年 29 巻 3 号 p. 203-207

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抄録
植物のアレロパシーは作物の連作障害あるいは作物と雑草との競合に深い係わりあいをもつものと推測され, その解明は畑作物の栽培技術の向上に関する基礎資料を提供するものと考えられる。本研究は1981, 1982の両年, 作物あるいは雑草 (供与作物) を砂耕栽培し, それからの排出物を含む滲出液を同時に栽培している同種あるいは異種の作物および雑草 (受容植物) に灌注して, 供与植物の滲出液の受容植物の生長に対する影響を検討した結果である。
供試した供与植物 (オオムギ, ルーピン, シロクローバーおよびオオツメクサ) の滲出液はすべての受容植物 (オオムギ, ルーピン, ダイコンおよびオオツメクサ) の生育を阻害した。受容植物ではダイコンの生育が最も影響を受け生育が劣った。オオムギの分げつはルーピン, シロクローバーおよびオオツメクサの滲出液で抑制された。
オオムギの滲出液によってオオムギ以外の受容植物の乾物重は有意に減少した。マメ科作物のルーピンおよびシロクローバーの滲出液はすべての受容植物の乾物重を減少させた。
本実験に用いられたオオムギ, ルーピン, シロクローバーおよび雑草オオツメクサは根からの排出物中に生長抑制物質を含み, これらの抑制物質によって同種あるいは他種の作物および雑草の生育が阻害されるものと推測された。
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© 日本雑草学会
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