雑草研究
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北海道東部の牧草地におけるエゾノギシギシ (Rumex obtusifolius L.) の発生と個体の分布について
本江 昭夫
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1986 年 31 巻 4 号 p. 300-305

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抄録
1983年から1985年に北海道東部の牧草地において, エゾノギシギシの発生と個体の分布を調査した。
1) 調査した牧草地の約60%にエゾノギシギシが侵入しており, そのうちの1/3では著しい雑草害を認めた。一方, 泥炭土の地域においてはエゾノギシギシよりも, ノダイオウの著しい侵入が認められた (Table 1)。
2) エゾノギシギシの発生は, ナズナ, シロザ, スカシタゴボウ, イヌタデ, ハコベなどの一年生畑雑草の発生と正の相関を示した (Table 2)。
3) エゾノギシギシの侵入の有無と土壌のpH, 窒素含量との間に一定の傾向を認めなかった (Fig. 1)。
4) 牧草地内においてエゾノギシギシの個体分布はL型に偏っていた (Fig. 2)。
5) 牧草地に侵入していたエゾノギシギシの個体あたりの乾物重はほぼ対数正規型であり, 乾物重の小さい個体の割合が高かった (Fig. 3)。
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© 日本雑草学会
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