雑草研究
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ハルジオンのパラコート抵抗性に対する葉身表皮系の関与
浅野 紘臣
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1990 年 35 巻 1 号 p. 13-19

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抄録

ハルジオンの表皮組織とパラコート抵抗性の関係について検討した結果, 次のようなことが明らかになった。
1. 切断葉におけるパラコートの透過性について第1図のような処理方法で検討した。Rの切断葉の上にSのディスクを乗せた場合, 4×10-5M以下のパラコート濃度では枯死しなかった。しかし, 2×10-4M以上では, 切断葉の上に乗せたSのディスクは枯死した。このことから, パラコートは, 切断葉を透過していることが明らかになった。
2. パラコート抵抗性ハルジオンの10系統の切断葉を用い, その表皮組織 (下側) を剥離して抵抗性の消失程度を調べた結果, 2×10-4M以下のパラコート濃度では, 抵抗性の消失にばらつきが認められた。しかし, 4×10-4M以上では全ての系統は枯死し, 表皮組織がハルジオンのパラコート抵抗性に関与していることが明らかになった。
3. プロトプラストに対するパラコートの影響を調べた結果, Rでは, パラコート処理8~15分後にプロトプラストは偏平になり, 続いて細胞膜壁に葉緑体が凝集し, 16~31分後に一部は破裂した。Sは,パラコート処理8~14分後にプロトプラストの細胞膜は凹凸を示し, 9~21分後には細胞膜壁に葉緑体が凝集し, 一部は破裂した。

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