抄録
Eupatorium odoratum はキク科の多年生低木で熱帯アジアの焼畑放棄地にしばしば侵入し優占群落を形成する。焼畑放棄地でよくみられるベニバナボロギク, カッコウアザミ, ギョウギシバ, カタバミおよび E. odoratum の実生成長に及ぼす E. odoratum の他感作用とその庇蔭効果について検討した。石英砂を充填したポットに各植物の実生を移植し, その表面に粉末にした E. odoratum 生葉を添加して, これらを温室内の相対照度が各々100%, 30%, 10%の人口庇蔭条件下で栽培した。また E. odoratum の粉末の代わりに他感作用のみられない腐葉土の粉末を添加して同様の庇蔭条件で栽培し, 両者を比較した。E. odoratum 粉末の添加と庇蔭の双方の処理を施した場合, ギョウギシバを除く他の実生の成長は, 庇蔭処理のみのものと比較してより強く抑制され, しかも抑制の程度は10%区の方が30%区より強かった。一方ギョウギシバの実生は庇蔭処理単独で著しく成長が抑制された。そのため庇蔭条件下での粉末添加による成長抑制効果は明らかでなかった。