1995 年 40 巻 1 号 p. 39-43
小穂の発芽において冠水耐性である水田雑草ヒメタイヌビエと感受性の畑雑草ヒメイヌビエの果実の発芽における酸素要求性について検討したところ, ヒメタイヌビエ, ヒメイヌビエとも果実は冠水および窒素条件下で発芽できることが明らかとなった。しかし, ヒメイヌビエ果実はリグニン化の著しい第二小花内, 外穎を窒素条件下あるいは還元剤とともに添加したとき, 著しくその発芽が抑制されたが, ヒメタイヌビエの果実はほとんど抑制されなかった。したがって, ヒメイヌビエの第二小花内, 外穎には好気条件下で酸化不活性化され易い発芽阻害物質が存在する可能性が示唆された。