本実験では, 新植サトウキビ畑に発生したハイキビの限界除草期間を検討するため, サトウキビとハイキビを実験圃場に混植し, 異なる除草期間を設定した処理区を設け, ハイキビが新植および株出しサトウキビの生育と収量に及ぼす影響について調べた。
植付後45日目に除草した区では, 新植とそれに続く株出のいずれにおいてもハイキビの再生は見られず, その際サトウキビは単植した場合とほぼ同様の生育を示し, 両者の収量にも有意差は無かった。植付後60日目以降に除草した区では, 除草後に残された地下茎からハイキビが再生し, 60日目除草区ではサトウキビ収穫時におけるハイキビの現存量は株出し区の場合には新植区のおよそ10倍となった。
各処理区におけるサトウキビの収量は, 新植区では植付後45日における収量が60日以降の除草区における収量よりも有意に高かった。またハイキビの繁茂が顕著となった株出し区でも, 植付後60日以降の除草区のサトウキビ収量が, 植付後45日目に除草した区の50%以上減少した。これらのことから, 植付後45日以内にハイキビを除草すれば, サトウキビの新植栽培と続く株出し栽培のいずれにおいても, ハイキビによる雑草害を軽減することができると考えられる。