雑草研究
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秋田県の主要畑雑草種子の埋土条件における休眠・発芽特性
鈴木 光喜
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2003 年 48 巻 3 号 p. 130-139

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抄録

秋田県の主要畑雑草であるハコベ, エゾノギシギシ, メヒシバ, イヌビエ, ツユクサ, オオイヌタデ, イヌタデ, ハルタデ, シロザ, イヌビユ, スベリヒユ, スカシタゴボウ, エノキグサを1998年6~10月に採種し同年12月に, オランダミミナグサ, ノボロギク, オニノゲシを1999年6月に採種し, 同月にそれぞれ15cmの深さに埋土した。前者は1999年4月, 後者は1999年7月以降, 1~2か月毎に掘り出して発芽率および出芽率を調査し, 二次休眠性に注目した休眠・発芽特性を明らかにした。主な結果は以下のようである。
1) 埋土1年目 (埋土の翌年), 埋土2年目 (埋土の翌々年)とも二次休眠が明確なもの: オオイヌタデ, ハルタデ, イヌビエ, ツユクサ。
2) 埋土1年目の二次休眠は明確であるが, 埋土2年目は弱いかはっきりしないもの: イヌタデ, スカシタゴボウ。
3) 二次休眠の認められないもの: エゾノギシギシ, シロザ, イヌビユ, スベリヒユ, ハコベ, オランダミミナグサ, ノボロギク, オニノゲシ。
4) 二次休眠の有無が不明なもの: エノキグサ, メヒシバ。
5) オオイヌタデ, イヌビエなど二次休眠を持つ種子の寿命より, エゾノギシギシ, シロザなど二次休眠を持たない種子の寿命が長い傾向がみられ, 休眠性と寿命との関係は判然としなかった。

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