抄録
本研究は,発達障害のある子どもの保護者が,災害時の避難生活を想定した際に抱く心理的・生活的負担を,避難所での生活および自宅での避難生活の両側面から明らかにし,必要な支援を検討することを目的とした。
保護者21名を対象とし,半構造化面接による質的記述的研究を行った。避難所での生活に対する心理的・生活的負担は,【子どもの生活へのこだわりによる負担】【子どもの発達障害の特性による負担】【地域における災害時の孤立環境】であった。自宅に留まる生活状況での心理的・生活的負担は,【情報と物資の不足】【日常と異なる自宅の生活状況】【地域での支援に関する困難感】であった。保護者は,避難所での生活と自宅に留まる生活の両方に不安を抱えていることが示唆された。子どもの特性に合わせた防災用品の準備や,災害時の生活状況の模擬体験が必要と考えられる。地域住民との交流を通じて「顔の見える関係」を形成し,災害時の支援体制を構築することが求められる。