抄録
本研究は,中山間地域における外来通院後期高齢者及び家族の在宅での生活を把握し,在宅療養の現状を明らかにすることを目的とした。A病院に定期外来通院されている75歳以上の患者(185名)及び家族(22名)に,聞き取り調査を行った。調査内容は,属性,外来通院する後期高齢者の困り事・心配事とし,属性は単純集計,困り事・心配事については,質的帰納法を用いてカテゴリー化した。その結果,通院手段は,送迎ありが81名(39.1%),送迎なしが121名(58.5%)であった。困り事・心配事は【今後の生活への不安】,【家族介護への不安】,【高齢による心身の変化への不安】,【家族に迷惑をかけたくない思い】の4カテゴリーからなった。中山間地域における外来通院後期高齢者は,多くの不安を抱き,自分たちの力で生活を維持している。外来受診時の限られた時間の中で,支援が必要な患者を見極める難しさはあるが,外来通院する後期高齢者の生活背景をさまざまな視点から捉え関わることで,後期高齢者の不安は軽減され,必要な支援を見出し,在宅療養支援の進展につながるものと考える。