抄録
本研究では,制度上支援の対象とされながらも実際には社会資源を利用していない中途視覚障害者12名を「未支援層」とし,半構造化面接を実施した。その語りを質的記述的に分析した結果,受障以降の日常生活状況では【社会資源の利用に向けた試行体験後のつまずき】等,当事者が認識する受障に伴う心理社会的変化では【当事者が認識する社会および支援との距離感】等,社会資源を利用していない理由では【自立志向による支援回避】等,当事者の支援に対するニーズでは【多様なニーズに対応できる支援体制への希求】等が抽出された。これらの語りからは制度の存在のみでは支援制度への接続が保証されないこと,当事者の心理社会的状況に即した柔軟な支援の必要性が浮かび上がった。とくに英国のリンクワーカーのような伴走型支援の構築が今後の課題として示唆された。