湿地研究
Online ISSN : 2434-1762
Print ISSN : 2185-4238
日本の国際環境協力事業で導入した手法が相手国政府の政策に取り入れられるプロセスとは?インドネシアの泥炭湿地帯における火災予防プロジェクト(2010-2015)の事例から
新井 雄喜
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 11 巻 p. 33-49

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抄録

近年,先進国政府の開発途上国に対する環境保全分野の政府開発援助(ODA)事業は多数実施されているが,事業を通じて導入された手法を,相手国政府が,事業終了後も継続的に実践できている例は多くはない.特に,先進国側が提案・導入した環境保全の手法が,受入国側の主導により,政策として公式に承認された事例は稀であり,それに至るプロセスは明らかになっていない.本稿は,国際協力機構(JICA)が支援を行った,インドネシアの泥炭湿地帯における火災予防プロジェクトを研究対象とし,事業で導入した参加型火災予防手法が,国家政策として公式に承認されるに至ったプロセ スについて詳述する.本研究の結果,事業で導入した手法の有効性の実証,中央政府職員の現場訪問の促進,「脇役キーパーソン」との関係構築,政策的意思決定権を持つキーパーソンへの重点的な働きかけ等が,国家政策に組み込まれる上で重要な役割を果たすことが示唆された.

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© 2021 日本湿地学会
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